2016年12月11日

CAMPFIRE×GANMA!に寄せて【急】


クラウドファンディング企画について、
序、企画のスタートを告知して、
破、グッズの詳細について解説してきましたが、
今回は急、完結編をお届けします。

企画が終了したのがもう半月以上前、
総括を書くのに随分時間がかかってしまいました。
まずこの企画の最中は気持ちが落ち着かなかったし、
企画が終わってからも、また色々とありましてね。
なかなか落ち着くことがない、師走のこの頃です。

しかし、何はなくともまずは大きな声で言いたい。

祝!クラウドファンディングサクセス!
オリジナルグッズ作成決定!


ご支援いただいた皆様のおかげです。
ありがとうという言葉を幾重にも重ねて、
心からのお礼を申し上げます。

この感謝の気持ちに、一点の偽りもない。
まずはそこをしっかりと述べておきたい。
俺は、お金の価値を知っているし、
グッズを買うという行為の重さも知っている。

物凄く強いお気持ちをいただいたと思っている。

でも、俺個人の気持ちを整理してみると、
こうして感謝し、安堵している一方で、
そうね、満足はしていないです。

ほら、もともと俺、打ち合わせの段階では、
1000%の達成を目標にしてたからさ。

……というのは半分冗談だけど、
まったくのギャグでもないよ。

今回達成した200%越えのご支援、そして、
101人からの60万円を超える支援金額、
とても大きな数字だ。立派だと思う。
一方でこの数字を、商業として見るとどうだろう。

本企画はCAMPFIREとGANMA!の共同プロジェクト、
当然関わっている人数も多い。
多くの大人が仕事として拘束されているのだ。
彼らに対して、どこまで利益をもたらせたか
そこを思うと、なかなか簡単に満足はできない。

商業作品によって為すべきことは、
まず第一にお客様を楽しませること。
次に、クライアントに利益をもたらすこと。
そして、自身も利益を得ること。
どこが欠けても、商業作品とは呼べないだろう。

だから、実は本企画に関しては当初から、
100%を達成するだけでは完全な失敗だと思っていた。

一方で、ただの集金をするのも嫌だった。
サークラの読者は若い人も多い。
金額伸ばしたさに高額なセットばかり用意しては、
そこに手が出ないということが、
彼らのテンションを下げかねない。

参加したいけどできない、そういう事態は避けたい。
だから、最小単位の三千円のスマホケースに、
一番多くの種類を用意し、目玉とした。
そして、最高単位でも一万円とし、
全部入りなどのカテゴリーは作らなかった。

「もっと高額のセットを」という声もあった。
特に企画初期はね、ご支援いただいた方も、
達成するかどうかを不安視されていたから。
問答無用で上限を出すという方々の声は、
本当にありがたかったのだけど……
安易にそういうことはさせたくなかったの。

そして、最終的に支援いただいたコースの内訳は、
最小単位の三千円が一番多数になった。
この結果に関しては、素直に誇らしいよ。

恐らく、全種類コンプリートしたい方が、
複数回申込みいただいたりもしているだろう。
延べ人数だと思う。でも、見かけの数字では一番だ。
見かけの数字が整うのは、とても大きなことだよ。

それに、複数回申込みいただいた方も、
何度も申込みの手間がかかることで、
本当に欲しいかどうかを思案する間が生じたはずだ。
俺は、そのにこそ価値があると思っている。
考える間を与えず消費させる商売など詐欺だし、
間を経てもなおコンプして下さったとしたら、
その思いはより強いものとして受け止められる。

しかしこの、できるだけ利益をもたらしたい、
だからと言って集金に徹したくはない、の狭間で、
俺は驚くほどピリピリしたね!毎日!

正直、クラウドファンディングを舐めていたよ。
支援を募って達成したら企画を実現できる、
この構図は一見双方にノーリスクのようだけど、違う。

企画者は、もし支援が目標に届かなかった場合、
自身の金銭的価値の無さを白日の下に晒される。
かけた時間は無駄になり、心的ダメージも得る。

そして、支援者にとっても、
もし自分の支援が実を結ばなかったら、
きっとガッカリしてしまうだろう。
作品に関わった結果ガッカリするという体験は、
今後作品を読む際にも、暗い影を落としかねない。

そういうリスクがあった。
あるということを、当初俺は分かっていなかった。

自分の甘さを学べただけでも、大きな収穫。
さらに、ものを買ってもらうこと、
お客様やクライアントと築くべき関係についても、
今まで以上に深く考えることができた。
お金や人、あらゆる流れが可視化されている、
クラウドファンディングだからこその学びだ。

俺は、もっともっと力をつけて、
より多くの人を楽しませたい。
そういう点では、課題が多く残った。
一方で、美学を貫いて一定の結果も得た。

できたことはできたこととしてしっかり満足し、
できなかったことに挑む動力源としたい。

そして、今回こうして目標を達成したことで、
CAMPFIRE×GANMA!が第二弾、第三弾と、
続いていったらいいなと思うよ。

先達として、最低限の責務は果たしたからね。
口癖である「場への貢献」はできたはずだ。


ご支援いただいた方に感謝し、その気持ちを力に、
作品でもって恩返ししていってみせるし、
今回都合あって参加できなかった方にも、
より作品を魅力的に感じてもらいたい。

最後に、このような機会を与えてくれた、
CAMPFIREとGANMA!にも、心からの感謝を、
随分神経質なブログだな!とお思いだろうけど、
根っこにあるのは感謝そのものなので、
そこを受け取っていただけたら幸いです。

posted by サコタヤスユキ at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年11月06日

CAMPFIRE×GANMA!に寄せて【破】


前回話題にしたクラウドファンディング企画について、
グッズの全容が明らかになりました。
そこで今回は、一つ一つ紹介したいと思うよ。

cf2.jpg
cf3.jpg

まずは、手帳型スマホケース
デザインは三種類で、ヒロインのラメ子と、
キャラ人気投票一位のまゆら、そして全員集合。

ここをね、三種類用意できたというのが、
まず大きい!こすずめ先生よく頑張った!

デザインの方向性は、沢山既製品も参考にしつつ、
キャラ単体でいくのか、デザイン重視でいくのか、
単体の場合誰をチョイスするのか云々と、
最初に大きく悩むところだった。

d1.jpg

(提案用に作成した資料より抜粋。
大きく悩んでいる様子がうかがえる)


内心、複数種類があったらいいなとは思っていたけど、
折しも彼女は多忙な時期、多くを望むのは酷だ。
にも関わらず、結果ベストを尽くしてもらった。
キャラ単体で最も要望が多いであろう二人と、
サークラを箱推ししてくれている方々向けのデザイン、
この三種類の選択肢を用意できたのは理想的だ。

イラストもね、改めて俺が言うまでもないけど、
それぞれ魅力的だよ。所有する楽しさはお墨付きだ。

この手帳型スマホケースがストレートだとすると、
次のトートバックは変化球だ。

cf4.jpg

しかも、かなり内角をえぐるキレのある変化球。

最初にグッズとしてトートバックを提案された時、
俺は正直迷った。もっと正直に言うと、
「トートバックっているか……?」と思った。
でも、いるいらないを俺が決めつけても前進しない。
どうしたら読者にとって魅力的な商品になるか、
ちゃんと文脈をつけることにした。

そこで閃いたのが、戦利品用というアプローチ。
普段使いのバックなど、誰だって持っている。
だったら、ここはサークラらしさを、
キャラでも文字でも全力でアピールすべきだ。
そうでないと、サークラでやる意味がないものね。

結果、可愛いまゆらと、迫力ある文字デザインが、
絶妙なギャップを生んでいると思います。
結構話題にもしてもらっていて嬉しい限りだ。

cf5.jpg

そして、最後はグッズの定番Tシャツ
これも定番であるが故に難しかったけど、
俺としてはアプローチの方向性は明確で、
版画としても楽しめることを重視しています。

なかなかね、普段使いとはいかないでしょうよ。
家で寝間着に、というのも限定的すぎる。
となれば、Tシャツをただ衣類としてではなく、
イラストを楽しむためのキャンバスにしたらいい。

常々言っている通り、イラストの魅力は、
サークラの大きなアピールポイントだ。
それを、普段のアプリなどの画面ではなく、
このTシャツというキャンバス上で楽しむのは、
また違った価値が提供できると感じている。
肝心のイラストも、第一部のキャラが大集合した、
色鮮やかでメモリアルな仕上がりになっているしね。


価格も、相場を大きく逸脱することなく、
極端な負担を強いることもない構成だと思う。
支援欲しさに極端な方法をとってしまっては、
それこそ作品を盾にしたカツアゲだからね。
あくまで、作品に寄り添ったプランにしたかった。

一方で、ここまでアピールしまくったものの、
支援が集まらなかった場合は、全て水の泡。
ある程度欲を持たないといけないのも事実。

これを書いている時点では丁度2/3か……
スタートダッシュがあって、そして今回、
イラスト公開でブーストをかけられるか、
そして、11/20の締め切りまで走っていけるか。
覚悟はしていたけど、ヒリヒリする話だよ。

しかし、こうして挑戦することは、
やっぱりすごくいい経験になるというのは、
改めて感じている次第だね。
そこはもう、一足先に感謝したい。
今まで漠然としてしか理解していなかった
クラウドファンディングの本質が見えてきた。
今後の創作にも生かせる知見だ。

そこは、企画終了後の総括で語るとして、
今回はグッズのアピール回ということで、
ぜひね、隅々まで眺めていただけたら幸いです。



posted by サコタヤスユキ at 19:12| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年10月15日

CAMPFIRE×GANMA!に寄せて【序】

このページをPCでご覧の方は、右の辺りにね、
見慣れないパーツがあることにお気づきでしょう。

でも、世はスマホ全盛時代だから、
いきなり本文中にもブチ込みます!



はい!GANMA!×CAMPFIREで
“サークルクラッシュ!”の
グッズ化企画がスタートしています!


CAMPFIRE、俺も前から気にはなっていた、
今話題のクラウドファンディングサイトだ。
クラウドファンディングを一言で説明すると、
「こういうことがやりたいからお金をちょうだい」
というサービスのことだね!

一言で言い過ぎだね!!

でも、それ以外の形容の仕方はないと思うよ。
今回で言ったら、
「サークラのグッズを作りたいからお金をちょうだい」
ということだもの。
そして、支援してくださった方には、
(支援金額が目標に届いたら)リターンとしてグッズが届く。
すっごくシンプルな仕組みだ。

しかし、いざ挑むとなるとね!
そうシンプルには考えられないよ!


何せお金が絡むことだもの、ナーバスにもなる。
しかも、さらっと書いたけど、クラウドファンディングの肝は、
目標金額がある、というところにある。
今回の企画で言ったら、30万円。
その数字に届かなかったら、支援者には返金、
グッズの制作はなしだ。そこまでいかに準備していようとね。

シビアだよ。だって、グッズは簡単に売れないもの。
これは、サークラだからという話ではない。
今は作品過多の時代、消費の機会はいくらでもある。
その中で選ばれることの難しさは、どの作品だって抱えている。
それに、友人にグッズ関係の仕事をしている人が複数人いるけど、
一様に「売れないと思って臨むべき」と言っていた。

でも、だからって最初から諦める訳にはいかない。
簡単には売れないという状況をしっかり自覚した上で、
それでも読者の皆様に必要としていただける、
手に取った時に幸せになれるグッズを作って、
全力で届ける努力をしないといけない。

だから、この企画の打ち合わせは、
普段の原稿の打ち合わせ以上に、ぶつかったね。
何せ、俺たちの上には二つのクライアントがいる。
GANMA!、CAMPFIRE、双方に都合がある。
当然、その都合は一番に受け入れないといけない。
そこを無視するなら、同人でやれというハナシだ。

でも、だからと言って、全て迎合するだけでも駄目だ。
前述したように、いかに読者を喜ばせるかにおいて、
自分が正しいと思うことを主張すべき時もある。
「先方の担当者か編集長を呼んで下さいよ。
直接間違いを指摘しますから」
と、担当編集の方に、
とてつもなく面倒なセリフを吐いたこともある。
俺も相当熱くなっていた……申し訳ないことをしたよ。

だけど、そこまで先方の都合と、こちらの都合を、
納得いくまで戦わせた結果、最終的には、
サークラらしい結果にたどり着けたと思っているよ。

まだイラストは公開になっていないけど、
きっとご満足いただけるはずだ。
その点においては、経過に裏打ちされた自信がある。

自信はある、けど一方でやっぱり恐怖もあるよ。
明確に数字でしか結果が出ない企画だからね。
そこに頑張ったで賞もクソもない、成か否しかない。

書いている現時点では、支援金額は12万円、
この数字だけ見ると達成に近づいているようだが、
俺はそうは思わない。何一つ楽観視できない。

支援は3千円から可能なのだけど、現時点では
12人から1万円ずつのご支援をいただいている。
殆ど情報が出ていない時点でのこのご支援は、
つまり「お前らがやるなら支持するぜ」という、
(自分で言うのはおこがましいが)
ファンとしての行為だ。

すぐ支援下さった方々に、ものすごく感謝している、
有難いのは大前提とした一方で、意識すべきだ。
1人が1万円を出すコンテンツと、
10人が千円を出すコンテンツ、どちらが強いのか。

俺は、後者だと思っている。

重ね重ね、前者に価値がないと言っているのではない。
というよりも、前者のような熱を維持するためにも、
後者のような広い支持を広げていかないと、
作品はいつか行き詰る。これは、絶対。

どちらの支持もないと、作品は生きていけない。
優劣をつけるような言い方は、俺の表現力不足だね。
ただ、サークラに足りていないのは、
後者だという自覚から出た言葉だと思って下さい。

今からでも、いや、こういう企画がある今こそ、
もっと作品の周知に努めて、
(3千円も決して少額とは思わないけど)
10連ガチャ1回分ぐらい支援してやるか、
ちょうどスマホケース欲しかったし、
ぐらいのライトな感覚で課金いただけたなら、
サークラはもっと強い作品になっていけるはずだ。

勿論、ガッツリと作品を好きになってもらって、
ババンと最高額支援いただくことだって求めていく。
大切なのは、どちらの意識も欠かさないこと。
そして、支援いただいたからには、
必ず報いていくという気持ちで、努力すること。


あくまで本筋は作品そのもの、言うまでもない。
そこに関しては、連載100話を突破した今、
新たに熱い支持を沢山いただけている。
その熱をしっかり持続させた上で、
脇をグッズ化企画で固めることができたら、
読者の方にもきっと力強さを感じていただけるはずだ。

何分初挑戦のことで、冒頭こそ軽くボケたものの、
重たい文章になってしまって申し訳ない。
でも、偽らざる気持ちを示すことも、
支援をあおぐ上での一つの礼儀だと思うから。

今後もイラストの公開や、支援の経過などを受けて、
できるだけブログを更新していきます。
どうか応援よろしくお願いしますね!
posted by サコタヤスユキ at 21:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記