2016年12月31日

できなかったこと

本年も大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。

と言って終わるならtwitterでいいだろ
という話なので、駆け込みで少し語ります。

大晦日ということで、やっぱり今年を振り返り、
一体自分は何ができたのか、そして、
何ができなかったのかを考えてしまいますね。
特に後者、頭を駆け巡るのは自分にできなかったこと。

何と言っても、ちょうど一年前の約束を、
目に見える形で反故にしていますから。
そこに対する申し訳なさ、情けなさはかなりのもの。
本当に、ビッグマウスはこういう時に厄介ですよ。
できなかった時のカッコ悪さがハンパない。

そう、モエプロ十周年で公演をというのは、
俺にとってやるべきことの筆頭だったし、
期待の声があったのも事実。
でも、結果としてできなかった。
いいや、もっと直接的に言うと、しなかった。

やろうと思ったらできたはずでしょう。
その時々の都合、あれやこれやを天秤にかけて、
ただ単に俺は、しないという決断をしただけだ。
それが自分と他人の期待を裏切ると知っていながらね。

このブログは、俺にとって宣伝の場であり、
セルフプロデュースの一環、つまり、
自分のいいところを見せる場だ。
だから、今年のブログ自体も、
数は少ないながら明るいものが多い。
だってそうだろう。いちいち弱音を吐いても、
挫折を見せつけても、文字通り意味がない。

しかし、その影ではどうだっただろうな。
公演ができなかったことも含めて、
私生活も決して順調とは言い難く、
やはり焦りと不安が強い一年だったと思う。
密かに筆を折りそうになったことも、あった。

では、なぜこの年の瀬にわざわざ、
こうして弱音を吐き、挫折を見せつけるのか。

決まっている。そこから這い上がる様を、
よりドラマチックに見せつけるためだ。


自作自演のようだけど、少し違うかな。
結果的に自作自演になったら万々歳だけど、
這い上がれる保証などどこにもなくて、
さらなるカッコ悪さに繋がるかも知れない、
リスクの大きな発言だものこれは。

しかし、包み隠さず明かした上で、前を向く。
それが今年味わった痛みを活かす、唯一の方法。
ネガだろうがポジだろうが関係ない、
味わった感情は一つも無駄にしたくない。
せめて、そういう選択を取りたいと思う。

できたことを改めて殊更に披露して、
できなかったことを覆い隠すのも、
一つの選択だとは思う。明るい言葉はいいものだ。
ただ、俺の性格上、それだけでは堕落するよね。
一生懸命になれなかったことがある。
その自戒を、明確な形で残しておきたい。

そして、こういう選択を取るほど、
できなかったことに打ちのめされて尚、
結局来年への望みを捨てなかった、
捨てずに済んだのは、言うまでもなく、
周りで支えてくれている皆様のおかげです。
そこはもう本当に、厄介な修辞もなく、
ただただありがとうと言わせて下さい。

改めて、本年も大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。

posted by サコタヤスユキ at 23:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年12月11日

CAMPFIRE×GANMA!に寄せて【急】


クラウドファンディング企画について、
序、企画のスタートを告知して、
破、グッズの詳細について解説してきましたが、
今回は急、完結編をお届けします。

企画が終了したのがもう半月以上前、
総括を書くのに随分時間がかかってしまいました。
まずこの企画の最中は気持ちが落ち着かなかったし、
企画が終わってからも、また色々とありましてね。
なかなか落ち着くことがない、師走のこの頃です。

しかし、何はなくともまずは大きな声で言いたい。

祝!クラウドファンディングサクセス!
オリジナルグッズ作成決定!


ご支援いただいた皆様のおかげです。
ありがとうという言葉を幾重にも重ねて、
心からのお礼を申し上げます。

この感謝の気持ちに、一点の偽りもない。
まずはそこをしっかりと述べておきたい。
俺は、お金の価値を知っているし、
グッズを買うという行為の重さも知っている。

物凄く強いお気持ちをいただいたと思っている。

でも、俺個人の気持ちを整理してみると、
こうして感謝し、安堵している一方で、
そうね、満足はしていないです。

ほら、もともと俺、打ち合わせの段階では、
1000%の達成を目標にしてたからさ。

……というのは半分冗談だけど、
まったくのギャグでもないよ。

今回達成した200%越えのご支援、そして、
101人からの60万円を超える支援金額、
とても大きな数字だ。立派だと思う。
一方でこの数字を、商業として見るとどうだろう。

本企画はCAMPFIREとGANMA!の共同プロジェクト、
当然関わっている人数も多い。
多くの大人が仕事として拘束されているのだ。
彼らに対して、どこまで利益をもたらせたか
そこを思うと、なかなか簡単に満足はできない。

商業作品によって為すべきことは、
まず第一にお客様を楽しませること。
次に、クライアントに利益をもたらすこと。
そして、自身も利益を得ること。
どこが欠けても、商業作品とは呼べないだろう。

だから、実は本企画に関しては当初から、
100%を達成するだけでは完全な失敗だと思っていた。

一方で、ただの集金をするのも嫌だった。
サークラの読者は若い人も多い。
金額伸ばしたさに高額なセットばかり用意しては、
そこに手が出ないということが、
彼らのテンションを下げかねない。

参加したいけどできない、そういう事態は避けたい。
だから、最小単位の三千円のスマホケースに、
一番多くの種類を用意し、目玉とした。
そして、最高単位でも一万円とし、
全部入りなどのカテゴリーは作らなかった。

「もっと高額のセットを」という声もあった。
特に企画初期はね、ご支援いただいた方も、
達成するかどうかを不安視されていたから。
問答無用で上限を出すという方々の声は、
本当にありがたかったのだけど……
安易にそういうことはさせたくなかったの。

そして、最終的に支援いただいたコースの内訳は、
最小単位の三千円が一番多数になった。
この結果に関しては、素直に誇らしいよ。

恐らく、全種類コンプリートしたい方が、
複数回申込みいただいたりもしているだろう。
延べ人数だと思う。でも、見かけの数字では一番だ。
見かけの数字が整うのは、とても大きなことだよ。

それに、複数回申込みいただいた方も、
何度も申込みの手間がかかることで、
本当に欲しいかどうかを思案する間が生じたはずだ。
俺は、そのにこそ価値があると思っている。
考える間を与えず消費させる商売など詐欺だし、
間を経てもなおコンプして下さったとしたら、
その思いはより強いものとして受け止められる。

しかしこの、できるだけ利益をもたらしたい、
だからと言って集金に徹したくはない、の狭間で、
俺は驚くほどピリピリしたね!毎日!

正直、クラウドファンディングを舐めていたよ。
支援を募って達成したら企画を実現できる、
この構図は一見双方にノーリスクのようだけど、違う。

企画者は、もし支援が目標に届かなかった場合、
自身の金銭的価値の無さを白日の下に晒される。
かけた時間は無駄になり、心的ダメージも得る。

そして、支援者にとっても、
もし自分の支援が実を結ばなかったら、
きっとガッカリしてしまうだろう。
作品に関わった結果ガッカリするという体験は、
今後作品を読む際にも、暗い影を落としかねない。

そういうリスクがあった。
あるということを、当初俺は分かっていなかった。

自分の甘さを学べただけでも、大きな収穫。
さらに、ものを買ってもらうこと、
お客様やクライアントと築くべき関係についても、
今まで以上に深く考えることができた。
お金や人、あらゆる流れが可視化されている、
クラウドファンディングだからこその学びだ。

俺は、もっともっと力をつけて、
より多くの人を楽しませたい。
そういう点では、課題が多く残った。
一方で、美学を貫いて一定の結果も得た。

できたことはできたこととしてしっかり満足し、
できなかったことに挑む動力源としたい。

そして、今回こうして目標を達成したことで、
CAMPFIRE×GANMA!が第二弾、第三弾と、
続いていったらいいなと思うよ。

先達として、最低限の責務は果たしたからね。
口癖である「場への貢献」はできたはずだ。


ご支援いただいた方に感謝し、その気持ちを力に、
作品でもって恩返ししていってみせるし、
今回都合あって参加できなかった方にも、
より作品を魅力的に感じてもらいたい。

最後に、このような機会を与えてくれた、
CAMPFIREとGANMA!にも、心からの感謝を、
随分神経質なブログだな!とお思いだろうけど、
根っこにあるのは感謝そのものなので、
そこを受け取っていただけたら幸いです。

posted by サコタヤスユキ at 22:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記