2018年03月14日

『天使のおクスリ!』連載開始に寄せて

祝!『天使のおクスリ!』連載開始!

おクスリロゴA.jpg

http://ganma.jp/okusuri/

唐突!

何せ準備期間に何も言ってなかったからね。
新たな作家との新企画が進行中ということぐらい、
守秘義務に反するでもなし、してよかったと思うけど、
単純に準備期間の愚痴とか、あまり面白くないからね。

でも、思わず愚痴りたくなるシーンはあったよ。
今だからこそ笑い話として披露できるけど、
当時はさすがにガックリした。

誰だって膝をつくと思うよ。
いざ連載が決まる直前になって、
似た作品が他社から発表されて企画がボツになったら。

キツすぎる。しかも、簡単な企画段階じゃない。
割とストーリーの頭から最後までプロットを詰め、
キャラクターもしっかり作り上げ、
ようやくこれで行こうとなった矢先の出来事だもの!

本当にね、何より申し訳なくて、あの時は。
今回の新連載、改めて経緯を打ち明けると、
『サークルクラッシュ!』の連載中に、
Route M所属の新人と新企画を立ち上げてほしいと、
編集さんからコンタクトを受けたのが始まりだ。

現行のクライアントから新企画を打診いただける、
フリーランスにとってこれほど有難いことはない。
それは、今の仕事を評価いただいている証左だから。
俺は二つ返事で引き受けたのだけど……
スムーズに連載にこぎつけることはできなかった。

しかも、新人である作画の子も、キャラデザから
1話の原稿まで頑張ってもらっていたからね。
それが全ボツというのは、ダメージがデカい。
人によっては、折れていてもおかしくないよ。

しかも、クリエイターあるあるだけど、
準備期間は無収入。単純に厳しい。
俺が理想としていた、昨年夏ごろに新連載を開始させ、
秋に予定通りサークラを完結させることで、
自身の連載を途切れさせることなく、
相互に読者を流入させるという青写真も潰えた。

実のところ、他社作品と似ているとは言っても、
そのままリリースしたところで、パクリ云々とは
多分言われなかったと思う。展開はまるで違うし。
でも、いわゆる作品の「売り」がかなり近かった。

どうしたって似た作品はあるものだし、
完全無欠のオリジナルなど存在しないと思ってるけど、
直近の作品との「売り」被りは……単純に分が悪い。
万が一新人の経歴に傷がつくのも、今の時代怖いしね。

でも、幸いなことに俺は勿論、
作画の子もモチベーションは失うことはなかった。
新たに企画を積み重ね、精査し、
そしてようやくたどり着いたのが本作、
『天使のおクスリ!』なのです!

実際、あの日の全ボツも結果的に怪我の功名
より皆様にお楽しみいただける企画ができたと思う。
すっごく純粋なエンターテイメントになった。
可愛いキャラクターと、小気味いいギャグ
そして、いつの時代も絶対大切なお色気と、
貴方にお楽しみいただけるポイントが山のようにある。

まずはぜひ、冒頭だけでもご覧いただきたい。

「特別な力がほしい
それは誰もが一度はする妄想
あの必殺技に憧れたり
イケナイことを考えたり
その夢は時と共に薄れていくもの
だけど――
もしも妄想を叶えるクスリがあったら
アナタはどうしますか?」


ピンときた貴方は、間違いなく楽しめる。
そうでなかった人も、安心してほしい。
ここから受ける印象だけが全てじゃない。

多分、この作品で貴方の人生は変えられないと思う。
でも、貴方の日常の中に、少しの幸せを、
それは笑いだったり、欲求刺激だったり、
そういったプラスを与えたいと思っている。

そして、GANMA!ではサークラの経験こそあるが、
こうしたストーリー形式のマンガを手掛けるのは初。
作画も新人ということで、どうしたってね、
貴方の応援が必要不可欠だ。
どうかリアクションを届けてほしい。
一緒に楽しい時間を作り上げてほしい。

新連載というのは、文字通り新鮮な気持ちで、
実際かなり緊張もしているけど、
とにかくこの、楽しみ、楽しませたいという、
俺が常に心掛けてきたモットーを、
今一度強く胸に抱き、頑張りたいと思うよ。
また貴方とここで会えることを励みにね。

『天使のおクスリ!』
作画:氏原ケイ 原作:佐古田康之
http://ganma.jp/okusuri/

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posted by サコタヤスユキ at 22:38| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年12月31日

どうしても強くなりたい


年末恒例の振り返りブログです。
この記事を含めて今年の更新が4回な辺り、
ここの存在理由も相変わらず危ういですね。

さて、今年の表向きな一大事と言ったら、
“サークルクラッシュ!”の連載終了ですが、
それについては前回、前々回と語り尽くしているので、
改めて言うことはないです。

ただ、終わっても尚未だに温かい声援を
寄せ続けていただいていること、
とても嬉しく思いますし、励みになっています。

では、内向きな振り返りをするとどうなるか、
厳しい一年だったというのが、正直なところだね。
近年稀にみる、精神的には辛い一年だった。

あまり、いや、一切他人に相談しなかったし、
匂わせるだけなのが嫌らしいけど、
説明するのが難しいというか、
恐らく世界で俺だけが傷つく、俺の創作家の部分が、
根幹から揺るぎかねない出来事が起きた。

辛くて悔しくて、膝をついて目を伏せるばかり。
一か月ぐらい全くその機能を失っていた。
その時に俺を救ってくれたのは、
やっぱり力ある作品たちだった。
アイカツ!のライブイリュージョン、
Aqoursの1stライブ、俺が理想とし続けている、
次元の壁をブチ破るパフォーマンスに、
再び熱い火をつけてもらった。

そして、もう簡単に膝をつかないよう、
肉体的にも精神的にも体力が欲しい。
そう友人に何気なく話してみたところ、
「だったら今日帰ってから走りなよ。
今日やらない奴は明日もやらないよ」

と言われた。そこから、俺の生活が一変した。

人によっては、ただの慣用句に思うかもね。
実際よくあるセリフだと思うよ。
でも、こんなよくあるセリフを、
本気で言ってくれる人って、どれだけいる?

俺だってそこまで馬鹿じゃない。
自分に向けられた言葉が、ただの相槌なのか、
心からのものなのかの違いぐらい、分かる。

最初はウェアもないから上下スウェット、
たった3キロで翌日は足がバキバキで動けない。
でも、続けた。強くなりたかったから。

健全な感情ではないかも知れないけど、
キツくなる度に俺は屈辱の瞬間を思い出し、
怒りを燃料に足を前に踏み出していた。
あの日膝をついた、自分への怒りだ。
もう繰り返したくない。繰り返したら終わる。
圧倒的な怒りと危機感を胸に、日々を送っていた。



結果、すごく痩せた。



俺がたどり着くべき結果って、そこ!!?


いや、いやいや、あくまでここは過程だ。
痩せたからどうとかいう話はしていない。
していないけど、ラッキーだとは思ってる。
なぜなら、会う人みんなに褒めてもらえるから。
それは精神衛生上、とてもいいことだ。

そして、単純にこの変化を続けていくことで、
創作にもいい影響が出ると、半ば確信している。

創作とは、存在全てをかけて行うもの。
そして存在とは、肉体と精神の両輪で走るもの。
あの時のようにまた精神が弱ったとしても、
肉体の力で立て直し得る。逆もまた然り。
運動は創作の質の向上に、必ず繋がるはずだ。


俺はまだまだ創作を続けていたいし、
もっともっと面白いものを作りたい。
そのために、どうしても強くなりたい。

この決意は、内外に少しずつ好影響を及ぼしている。
なかなか表に出せないことも多いのだけどね。
ただ、いつか作品でも実感いただけるはずだ。

本気で膝をついて、そこから這い上がってきた、
この一年がそういった年だとしたら、
来年をどういう年にすべきかは、決まっている。
前へ進む。今度はより前向きな推進力でもって。

どうなるかは実際分からないけど、
分からないからこそ、その時々に全力を尽くす。
そして、貴方に俺を届けてみせる。
もう決して膝をつかない、という保証はないけど、
負けないように、負けたくないという気持ちを大切に、
励み続けていくよ。一つ一つの物事に、丁寧に。


こうして、大げさに決意を表明できるのは、
当然ながら応援してくれる皆様や、
大切な友人諸氏のおかげです。
本当にお世話になりました。
そして、来年もよろしくお願いします。

posted by サコタヤスユキ at 23:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年10月13日

“サークルクラッシュ!”連載終了に寄せて


“サークルクラッシュ!”の最終回更新から一週間
ということで、遂にこのタイトルでブログを書く時が来ましたね。

前回のブログでは、最終回更新直前の心境を吐露しましたが、
本当に終わってしまったらどうなるかというのは、
実際体験してみるまで分からない、未知の感覚でした。
きっと複雑な感情が沢山押し寄せてくるに違いない
俺はその感情をしっかり御せるだろうかという緊張感もありました。

でも、いざ最終回を公開し、それを実際に自分で読み、
皆様からのリアクションを目の当たりにした結果、
胸に去来した感情は、たった一つしかなかったよ。

それは、貴方への感謝です。それしかない。

ただただ、感謝の想いしか浮かばなかった。
言い方は悪いけど、拍子抜けするほどシンプルに、
関わった全ての人への感謝で胸がいっぱいになった。


まず第一に、ご覧いただいた読者の皆様。
いつも熱い応援、本当にありがとうございました。
もしかしたら、果たして自分の応援は届いているのか、
声を上げたところで大勢の中に埋もれるだけではないか、
そう思うこともあったかも知れませんが、違いますよ。
サークラが無事完結できたのは、貴方の応援のおかげです。

勿論原作者として、完結までの道筋は立てていました。
三年以上前からずっと。でも、そこにたどり着くためには、
貴方の応援の力が絶対的に不可欠だった。
もし満足のいく結果を出せなかったら、
サークラはここに辿り着けずに終わっていたでしょう。

だから、ありがとうと言っていただけているけど、
本当はありがとうと言うのはこっちの方だよ。


ちなみに、同じようなことをね、
先日西武ドームで開催されたAqoursの2ndライブで、
伊波杏樹さんが言っていたよ。つまりそのパクリです。

……って、こういう照れ隠しも良くないか。
パクリではなく、驚くほどその気持ちが分かるの。
ここまで純粋な気持ち、自分でもそう味わったことはないよ。

一人一人の力というのは、貴方が思っている以上に、
作品を前進させ、作者を勇気づけています。
どうか、これはサークラに限らずですが、
好きなものは好きだと、大きな声で言ってあげて下さい。
その力は世界を変え得るものだと、俺が保証します。


次に、GANMA!運営のコミックスマートの皆様。
こうして作品を発表する場を与えていただいただけでなく、
イベントやグッズ化、他アプリとのコラボなど、
沢山のチャレンジの機会を下さったこと、
本当にありがたく思っています。

時には緊張もしましたよ。いや、常にかな。
何と言っても全てが初体験だったから。
でも、常に緊張しながらも全力を尽くせたことは、
こうして言葉にしなくとも、伝わっていると思います。
そこは、俺自身確かに誇りに思っているし、
この運営とだからこそできたことだと感じています。

最高の運営ですよ。お世辞ではなく。
と言うか、俺は初期の頃から、
アプリ使いづらいから自分で解説ブログ書こ!
みたいなことをやっちゃうタイプですから、
今更お世辞とか言わないです。意味がない。
GANMA!がこうして人気アプリになったのは、
ユーザー一人一人に寄り添う真摯な運営の賜物。
その姿勢には、俺も多大な影響を受けています。

担当いただいた編集さん達にも、本当にお世話になりました。
初代担当のT氏は、持ち前の底抜けの明るさで、
サークラが持つ雰囲気の土台を築き、
二代目担当のY氏は、超パワフルな推進力で、
作品を内外から盛り上げ、勢いを加速させ、
三代目担当のM氏は、作品に優しく寄り添い、
共に愛を持って完結まで歩み切ってくれました。

誰が欠けても、この作品は成立しなかったでしょう。
共にサークラを作り上げてもらったこと、感謝しています。
もっとも、全員何かしらのタイミングで、
俺のことは「面倒な奴だな!」と思ったでしょうが(笑)
自分で言うのも何ですが、なかなか頑固者ですからね。
でも、ただぶつけるだけでなく、ぶつかり合ってくれたことで、
作品を高めることができたのではないかと思っています。


そして何より、やっぱりこすずめさん。
大きな声で言いたい。彼女はすごい人です!
心から尊敬できるクリエイターですよ。

前からこちらをご覧の方はご存知の通り、
元々はね、俺が作演出を務める芝居に、
役者として出てもらったのが関わりの始まりだった。
そこから何だかんだ苦労を共にしたりして、
原作の依頼をもらった訳だけど、つくづく思う。
彼女とでなかったら、俺は原作者という立場を
全うすることができていたかどうか分からない。


彼女は妥協をしない。俺のお気に入りの案であろうと、
面白いと感じなかったものは一蹴してくる。
でも、人に言うだけではなく、自分が大変な時期でも、
常に作品のクオリティの向上に努めてくれた。
最終回のフルカラーが、まさに好例でしょう。
あれは、俺も編集さんも指定していないですからね。

そして、俺のふわっとしたアイデアに対しても
理解力があるから、確かな形にしてくれる。
俺自身、彼女から送られてくる原稿が楽しみで、
一読者としてもサークラを楽しむことができました。
本当に、助けられたことばかりです。

ぶっちゃけ、よく分からない人でもあるし、
俺とは似ても似つかない変なコンビなのだけど、
根っこの部分の矜持、作品愛は共にできていたはず。
だからこそ、いい作品が作れたのだと思います。


本当にね、語り出すときりがない。
何と言っても三年半分の想いですから、
どこまで感謝したって、し切れるものでもないよ。

そして、この感謝をどう活かしていくかと言ったら、
それは間違いなく、次の創作でしょう。
ありがとうの次の言葉が、さようならでは意味がない。
取り分け、俺にはものを作る意思がある。
何より、まだ必要としていただけているなら、
やるべきことはあまりにも明白だ。

事実、サークラは本当に沢山の応援をいただき、
沢山のことを成し遂げさせてもらった一方で、
できなかったことも沢山ある。

正直言ってしまうと、終わって一息ついた今、
もう何ができたかを意識することはないです。
それよりも大事なのは、できなかったこと。
俺にはまだまだ足りないものが多すぎる。
もっと多くの人の期待に応え、より力強く、
面白い創作をしていきたい。しないといけない。


感謝の言葉をただ口にして、いい雰囲気にして、
それでおしまいというのは俺には無理だね。
やっぱり、もっと上を目指したい。目標は遥かに遠い。
こうして一つ確かな満足感は味わわせてもらったけど、
憧れは次の憧れを生む。震えるような高みへと、
夢は夢を超えていくものだから。


ちなみに、これはアイカツスターズ!3期OPの
STARDOM!の歌詞から丸パクリな訳ですが。


でも、まさにこの心境だから仕方ないよ。
俺はもっといい景色を見たいし、見せたい。
その挑戦が怖くないと言ったら嘘になるけど、
絶対に立ち止まりたくないから。

だから、終わりに寄せた文章の締めには相応しくないけど、
どうかこれからもよろしくお願いします。
貴方がくれた力に、俺は必ず意味を持たせる。
そう約束します。まだまだ一緒に、楽しみましょう。


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posted by サコタヤスユキ at 23:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記